
3. コンテナターミナル開設に至る状況
シベリア航路のロシアからの木材輸入が以前からあったため、その帰港便が空船で効率が悪いということから、ロシア向け輸出貨物を扱っていた。
しかし、シベリア航路のコンテナ化がスタートするなか、コンテナ未対応の当該港は抜港対象(神戸港へシフト)となった。
そのため、事業者より要望もあり、港湾管理者としてもコンテナリゼーションの物流全般への浸透化を考え、舞鶴港振興会(会長 京都府知事)の中で約2年間の検討の上施設の整備を行い実現した。
コンテナターミナル開設までの不安点は、定期的定量の貨物の確保。他の貨物との関係で施設がコンテナ専用として使用できるかどうか。
ポートセールスでは、舞鶴港振興会を中心に、商社、メーカー等への集荷要請、船社への新規航路の誘致、対岸諸国(ロシア、韓国、台湾、中国等)への働きかけを行っている。
4. 現在の問題点
マーシャリングヤード取扱い貨物量との関係では十分だが、上屋が狭隘。
ヤードがフェンス等で隔離していないため、一般人が入ってしまい、安全面で問題がある(近々フェンスを張り解消予定)。
危険物は扱えない。
相手国の内政事情の関係で取扱の伸び悩みが続いている。
5. 防災計画
緊急物資及び避難者の海上輸送基地
今後、耐震岸壁を整備予定。
主要港(神戸港)が機能しなくなった場合、その補完的機能を担いたい。
6. まとめ
当該港は背後圏には大手荷主の存在が微少であり、コンテナターミナル開設には、地元港湾運送事業者だけではなく、港湾管理者自身が当事者意識をもって積極的に港湾の活性化、地元の活性化を念頭に置いて整備計画を策定の上、それに基づく施設等の整備を実施したことにより、現在の取扱量となっている。ポートセールス上でも各関係者が一体となり行うことで、集荷困難な事態を回避している。そのためには、各関係者の日頃からの情報交換を行うことで、強いつながりをもって対処しているように思われた。
取扱量は伸び悩んでいるが、港湾関係者が一体となっていることで、港湾でのサービスに自身をもっており、取扱量の減少といったマイナス面を捉えるのではなく、これからの展望を持っているので当該港の今後の活性化を予想させた。
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